きれいな歯並びときちんとしたかみ合わせ、質の高い適正な矯正治療の提供、矯正歯科臨床のたゆまぬ研究・研鑽・伝承を行なう与五沢矯正研究会
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矯正症例集
■過蓋咬合−矯正症例集V− 1993年 4月発刊 50症例 304ページ

(以下 序文より抜粋)
『過蓋咬合』の出版にあたって
 過蓋咬合とは開咬にたいしての対語で前歯の被蓋の深い状態をさしますが、そのカテゴリー分けのための条件設定は、他の不正咬合と比べても困難なものです。過蓋咬合といわれる状態は、被蓋が漸次深くなるにつれて移行的にその特徴を明確にしてくるという性質のものだからです。
 通常の被蓋関係については、「下顎前歯の歯冠長の1/4〜1/3を被蓋とする」と割合によって表現しているものから、距離的に「2〜3mmの被蓋」とするもの、またなかには咬合論の立場から、「5mm程度被う状態が理想(R.L.Ree)」とするものまであります。
 一方、過蓋咬合という状態については「下顎前歯の歯冠長の2/3以上被蓋しているもの」(距離で表せば歯牙の大きさと関連して5〜6mm)や、「被蓋が非常に深く前歯面のほとんどを被っているもの」という数字を使わない捉え方もあります。
 臨床的な立場での過蓋咬合という認識は、単なる垂直的な歯蓋の量ばかりではなく上下前歯の歯軸の関係、顎や歯列弓の形態、さらに進んでは機能を含めその不正咬合のもつ問題の所在などを考慮した上で、総体的勝つ概念的に組み立てられるものです。
 しかし実際に本書作成にあたっては何らかの単純な症例選出基準が必要ため、ここでは前歯の被蓋関係5mm程度以上のものを一応の条件とし、研究会会員の自主的判断によって提出していただいた症例をもって『過蓋咬合』としました。
 過蓋咬合の改善機序については、成長発育の有無、下顎骨の形態、上下顎の前後的位置関係、前歯歯軸の関係、歯列の形、抜歯の有無、使用した装置のメカニズムやシステムなどの影響を受けて多様なものとなります。それらを含め、矯正治療によって過蓋咬合といわれる状態が具体的にどのように、どのくらいコントロールができ、それが保定中にどのように推移していくかをご覧いただき、何らかの形で参考に成りえましたら幸いです。

1993年 3月
与五沢文夫



◎ 症例集
矯正症例集(1988)
矯正症例集II 『上顎前突』(1990)
矯正症例集III 『反対咬合』(1991)
矯正症例集IV 『開  咬』(1992)
矯正症例集V 『過蓋咬合』(1993)
矯正症例集VI 『前突歯列〜いわゆる上下顎前突〜』(1994)
矯正症例集VII 『複合症例 混合症例 歯牙素材不全症例』(1995)
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