きれいな歯並びときちんとしたかみ合わせ、質の高い適正な矯正治療の提供、矯正歯科臨床のたゆまぬ研究・研鑽・伝承を行なう与五沢矯正研究会
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矯正症例集
■開咬−矯正症例集IV− 1992年 4月発刊 50症例 321ページ

(以下 序文より抜粋)
『開咬』という用語について
 不正咬合をあらわすいろいろな矯正用語は、必ずしも同一の視点から用意されたものではないために、不正咬合を系統だてて分類するための用語としてはあまり適してはいません。
 不正咬合に対しての呼称は、その不正咬合の特徴を、歯牙の配列状態、歯列の前後的な位置、顎の前後的な関係、顔貌、あるいは咬合状態などから、それぞれのことの重大性とむすびつけた視点にたって描写して表現されています。
 たとえば、上顎前突や下顎前突などの用語は、顎とか歯牙の位置関係を中心とした不正咬合のとらえ方ですが、『開咬』という用語は、咬合状態という主として機能とのかかわりの視点にたった不正咬合の描写です。
 開咬(本来は開咬合というべきかとも思います)という言葉の持つ意味は、比較的明確で、下顎前突に対しての反対咬合というような類似語はありません。しかし、開咬の定義となると、いくつかの解釈があります。開咬とは、一般的に“中心咬合位における上下歯牙の接触関係が欠如した状態”といえるかと思いますが、狭義にとらえて“前歯部のoverbiteが欠如した状態(vertical open bite)”と部位を前歯部に限定する場合もあるようです。しかし、先の開咬という用語発生の視点からかんがみると、側方歯の垂直的な咬合面での接触欠如(lateral open bite)も機能の上からは明らかに開咬状態といえます。また、さらに開咬という上下的な被蓋関係の異常に歯列や顎関係の水平的な位置異常が加わった場合(horizontal open bite)、しばしば計測上overbiteがプラスになることもありますが、そのような症例の臨床的な立場からすると、開咬と本質的には同一のカテゴリーにあります。したがいまして本書では『開咬』を臨床的な立場から解釈をして、切端咬合に近い状態を含めた垂直的開咬、側方歯開咬、さらに水平的開咬を含めて開咬症例といたしました。

1992年 3月
与五沢文夫



◎ 症例集
矯正症例集(1988)
矯正症例集II 『上顎前突』(1990)
矯正症例集III 『反対咬合』(1991)
矯正症例集IV 『開  咬』(1992)
矯正症例集V 『過蓋咬合』(1993)
矯正症例集VI 『前突歯列〜いわゆる上下顎前突〜』(1994)
矯正症例集VII 『複合症例 混合症例 歯牙素材不全症例』(1995)
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